【古典百合】『花物語』吉屋信子~4日目
作品リストは以下の通り(番号は便宜上私が付けたもの)。
1 アカシヤ
2 桜草
3 日陰の花
4 浜撫子
5 黄薔薇
6 合歓の花
7 日向葵
8 龍胆の花
9 沈丁花
10 ヒヤシンス
11 ヘリオトロープ
12 スイートピー
13 白木蓮
14 桐の花
15 梨の花
16 玫瑰の花
17 睡蓮
18 心の花
19 曼珠沙華
16の玫瑰は、これで「はまなす」と読むようだ。上巻と比べると作品の収録数が少ないが、これは間違いなく1つの作品が長くなったからである。読み応えがある…と喜ばないといけないところだが、残念ながら私は今夜は疲れている。だから、1のアカシヤから4の浜撫子までしか読めていない。
さて、一番読みにくくて、何回か読み返したのが3の日陰の花である。いつの間にか1人の場面から2人になって驚いてしまった。一文が長くて読みづらい美文百合は私は嫌いだよ。日陰の花こそ、少女が2人でてきて、どうにかなってしまった百合話なのだけれど、全くもって感心しない。女子が2人いる、3年前から付き合ってる、以上、ってあらすじだからね。だから何なんだ、と声を大にして言いたい。
1のアカシヤは、どうでも良さげなことで教師を辞めた話、2の桜草は…まあちょっといい話なんだけど、主人公、運が悪かったねという感じ。
そして4の浜撫子こそ、吉屋信子大先生の持論(って言い切っていいのかな)、ヨゴレになる前に死ね、が見られる作品である。全体のあらすじを書くのがめんどくさいので、最後の部分の要約を書くと、「お友達はハワイに引っ越します、自分は好きな女の子がいるけど無理やり嫁がされそうなので、海に身投げをしました」ということである。
まあ、昔のように、結婚相手を家が決めるという制度のもとでは、そういった自殺案件が割とあったのかもしれないし、さほど無かったのかもしれない(私、テキトーだなあ)。しかし、上巻の純潔クラブ(白百合)と放火心中(燃ゆる花)の後でこの作品を読むと、「吉屋大先生、またかよ。ぽんぽん女子を純潔で殺すんじゃねーよ!」と思わざるを得ない。なんでそのくらいのことで死なないといけないんだ。1回穴に棒が出入りしただけで死に値するとか、童貞の処女厨レベルだぞ(下品ですいません)。
とまあ、キリキリ怒っているのも精神衛生上宜しくないので、「吉屋信子大先生は『処女でなくなったら死ぬ』ネタを引っさげて、笑かしにきている」と考えることにした。けどね、一番笑えるのはやっぱり白百合の葉山先生のぶっ飛び具合かな。結婚で死ぬとか全く笑えないもんね。軽く人身売買だもんね…おやすみなさい。