L寄りBの本棚。

バイセクシャルだったけどだんだん男性に興味がなくなったレズビアン(L寄りB)がLGBTを題材にした小説や漫画について一丁前に語るブログ。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【L?小】『わすれなぐさ』吉屋信子

百合文学の古典中の古典といえば吉屋信子の『花物語』である。 // リンク // リンク 私も持っているのだけれど、文庫本で2冊あって、ちょっとした空き時間に読むには重い気がする。ということで、今日は薄めの文庫本1冊にまとまっている『わすれなぐさ』の…

【LT小】『ジゴロ』中山可穂

はっきり言って、この人の最近の小説は読んでいない。というか、新刊が出ているのを知らなかった(要するにチェックするのを忘れていた)。久しぶりに名前を検索してみて、宝塚シリーズなるものを手がけているのを知ったが、読みたいかと言われたら微妙なとこ…

【L小】『濡れた心』多岐川恭

1958年の作品で、第4回江戸川乱歩賞を受賞している。江戸川乱歩賞というくらいなので推理小説なのだが、とにかく3人の女子高生の心理描写が圧巻。推理小説としてもL文学作品としても楽しめる、二度美味しい本作はお買い得である。古い小説なので時代背景の古…

【単なる独り言】百合漫画に対する考察。

全然百合でも漫画でもないが、1984年に芥川賞を受賞した高樹のぶ子の『光抱く友よ』という小説がありまして。 // リンク 優等生の主人公・涼子が不良少女の勝美と仲良くなって、色んな闇を見ちゃう、そして離れていく、という、それだけのお話なのですが、私…

【漫】『ラヴァーズ・キス』吉田秋生

何度も繰り返し読める本があるというのは非常に幸せなことなのかもしれない。この『ラヴァーズ・キス』も私が繰り返して読んでいるうちの1冊で、毎回泣けるポイントが違うのである。 // リンク 前回は「オオサカ」にえらく感情移入してしまって泣いた(仕事の…

【L小】『ののはな通信』三浦しをん

今朝はあんまりおすすめしない作品を。 // リンク 2人の女性の、10代〜20代前半の往復書簡と40代前半のメールのやり取りで成り立っている小説なのだが、この構成自体は面白い。ていうか、アイデア勝ちな気がする。 だけど、はっきり言わせてもらうと、どっち…

【L漫】『philosophia』天野しゅにんた

ついでだからもう一つ天野作品を。 // リンク 主人公である愛は、どこかで見たようなキャラクター設定である…そう、『私の世界を構成する塵のような何か。』の主人公留希である。恋愛とか興味なくて、勉強なんか頑張ってる女の子。舞台も大学。そして、そん…

【L漫】『私の世界を構成する塵のような何か。』天野しゅにんた

一発目に取り上げる作品は漫画である。 // リンク 女子大生7人のぐちゃぐちゃした人間関係を描いた作品、と一言で説明してしまうと何にも面白くない、むしろ面倒くさい感じがするが、なかなかどうして3巻一気に読める。 7人も出てくるのか、海外の小説みたい…

ご挨拶。

私、ユンボイナと申します。70年代後半生まれでいい歳なのですが、今思えば私の若いころはLGBTに対する風当たりも強く、したがって自分の性的関心が同性に向いているなんてことはひたすら内緒にしてなきゃいけないし、自分で認めるのもなかなか大変でした。 …