L寄りBの本棚。

バイセクシャルだったけどだんだん男性に興味がなくなったレズビアン(L寄りB)がLGBTを題材にした小説や漫画について一丁前に語るブログ。

2019-01-01から1年間の記事一覧

【L小】『弱法師』中山可穂

ちょっとTwitterで他の方と中山可穂の話をしていて、その方が好きだとおっしゃるのがこの『弱法師』の中の「卒塔婆小町」だというので、早速アマゾンでポチして読みました。 // リンク 実はこの『弱法師』、私初めて読んだのではなくて、2回目だと思うんで…

どうもすみません…

ここしばらく仕事でバタバタしてたら、本を読む気力とブログを書く時間がなく。 今日やっと落ち着いたので、また『ゆめはるか吉屋信子』を読もうとしたのですが…ダメだ、こんな分厚い文庫本を途中から読む気力がないわ。 田辺聖子さん、かなり色んな文献を調…

【評伝】『ゆめはるか吉屋信子』田辺聖子~5日目

今日は「潮みちて」の章である。ゆきえさんの件であるが、やはり信子が愛想をつかして別れることになった。そりゃあそうだろう、稼がなきゃいけない、なんて言われたら男でも女でもゲンナリする。 この章でついに、あの門馬千代が登場する。千代は信子が亡く…

【評伝】『ゆめはるか吉屋信子』田辺聖子~4日目

さてさて、今日は昨日読み残した「東京漂泊」の章を読み終えた。信子がYWCAの寮に入って、屋根裏部屋を与えられる。隣室には菊池ゆきえという女子英学塾(今の津田塾)の学生が住んでいるのだな。これ、すなわち吉屋信子の私小説的作品『屋根裏の二処女』の舞…

【評伝】『ゆめはるか吉屋信子』田辺聖子~3日目

さて、今日は3章目の東京漂泊を読んだ…が、この章は他の二倍くらいの長さがあるので読みきれていない。とにかく信子が四谷の寮に入ったあたりで疲れてしまった。 内容は、信子が栃木から上京する前後から始まっている。栃木高女を卒業した彼女はしばらく地元…

【評伝】『ゆめはるか吉屋信子』田辺聖子~2日目

17年前の今日はナンシー関が亡くなった日であった…私は彼女の生前からそこそこ彼女の本を読んでいたのだけれど、すっかり忘れていた。『信仰の現場』はかなりオススメで、誰がファンでもないのにわざわざ矢沢永吉やウィーン少年合唱団のコンサートへ行ってル…

【評伝】『ゆめはるか吉屋信子』田辺聖子~1日目

昨日の予告通り、これからしばらく田辺聖子による吉屋信子の評伝、『ゆめはるか吉屋信子』を日数をかけて読んでいこうと思う。 // リンク こうなるともはや百合小説とか百合漫画とか関係なくなってくるわけだが、おせいさんが先日なくなったこともあり、何と…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~7日目

田辺聖子さんがお亡くなりになった。正直なところ、田辺聖子の小説は未読であり、私にとっては『ゆめはるか吉屋信子』という評伝の著者であった…次はこの本かね。再読するか、タイミング的に…また長い本だ、トホホ。 // リンク で、花物語の下巻だが、今日読…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~6日目

昨日は半分遊び、半分仕事の飲み会に出て読めなかったもんで、今日は多めに読もうと思ったが読了できず…ただ、あと4作品読み残したので、明日読み切ればちょうど「花物語を1週間で読み切る企画」になって良いのかもね。以上、サボりがちな私の言い訳。 今日…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~5日目

さて、今夜は… 5 黄薔薇 6 合歓の花 7 日向葵 8 龍胆の花 9 沈丁花 10 ヒヤシンス 以上、5つを読んだところで頭が回らなくなり終了。ちなみに、10のヒヤシンスは学生時代に何か別の本で読んだことがあり、結構印象に残っている作品。あらすじは職場の「お姉…

【ちょっと愚痴】なんで『花物語』が支持されたのか。

4日間、吉屋信子大先生の『花物語』をちょっとずつ読み続けて分かったこと、それは「私には読みにくい!」でした。なんじゃそりゃ、と言われるかもしれないけど、無駄に一文が長くて過剰気味な装飾、だんだん脳が拒否反応を起こすわけです。同じ過剰装飾文体…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~4日目

花物語、ついに河出文庫版の下巻へ。 // リンク 作品リストは以下の通り(番号は便宜上私が付けたもの)。 1 アカシヤ 2 桜草 3 日陰の花 4 浜撫子 5 黄薔薇 6 合歓の花 7 日向葵 8 龍胆の花 9 沈丁花 10 ヒヤシンス 11 ヘリオトロープ 12 スイートピー 13 白…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~3日目

皆さん、蒼井優と山ちゃんの結婚、びっくりしましたね! と、全くブログの内容と関係のない話からスタートしてみた。今日は… 26 藤 27 紫陽花 28 露草 29 ダーリヤ 30 燃ゆる花 31 釣鐘草 32 寒牡丹 33 秋海棠 この8作を読んでみた。この辺からはなかなか読…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~2日目

今日読んだのは以下15話である。ちょっと頑張った(番号は私が便宜上つけたもの)。 11 紅薔薇白薔薇 12 山梔の花 13 コスモス 14 白菊 15 蘭 16 紅梅白梅 17 フリージア 18 緋桃の花 19 紅椿 20 雛芥子 21 白百合 22 桔梗 23 白芙蓉 24 福寿草 25 三色菫 全部…

【古典百合】『花物語』吉屋信子~1日目

だいたい百合小説の歴史を語る際に一番最初に出てくるのがこの『花物語』である。が、存在は知っていても読んだことのある人は多くないんじゃないだろうか(結構いるならごめんなさい)。かくいう私も、とりあえず1回買ってざっくり読んだ記憶はあるんだけど、…

【お子様向け小説】『親友』川端康成

なんとあの文豪が少女小説を書いていたということを知り、Amazonでポチしたのがこの作品。川端康成、改めて調べてみたら結構色んな仕事をしてた。 本当は『乙女の海』を買おうと思ったのだが、Kindle本がなく今回は断念(あんまり家に本を増やしたくないんだ…

【L?小】『わすれなぐさ』吉屋信子

百合文学の古典中の古典といえば吉屋信子の『花物語』である。 // リンク // リンク 私も持っているのだけれど、文庫本で2冊あって、ちょっとした空き時間に読むには重い気がする。ということで、今日は薄めの文庫本1冊にまとまっている『わすれなぐさ』の…

【LT小】『ジゴロ』中山可穂

はっきり言って、この人の最近の小説は読んでいない。というか、新刊が出ているのを知らなかった(要するにチェックするのを忘れていた)。久しぶりに名前を検索してみて、宝塚シリーズなるものを手がけているのを知ったが、読みたいかと言われたら微妙なとこ…

【L小】『濡れた心』多岐川恭

1958年の作品で、第4回江戸川乱歩賞を受賞している。江戸川乱歩賞というくらいなので推理小説なのだが、とにかく3人の女子高生の心理描写が圧巻。推理小説としてもL文学作品としても楽しめる、二度美味しい本作はお買い得である。古い小説なので時代背景の古…

【単なる独り言】百合漫画に対する考察。

全然百合でも漫画でもないが、1984年に芥川賞を受賞した高樹のぶ子の『光抱く友よ』という小説がありまして。 // リンク 優等生の主人公・涼子が不良少女の勝美と仲良くなって、色んな闇を見ちゃう、そして離れていく、という、それだけのお話なのですが、私…

【漫】『ラヴァーズ・キス』吉田秋生

何度も繰り返し読める本があるというのは非常に幸せなことなのかもしれない。この『ラヴァーズ・キス』も私が繰り返して読んでいるうちの1冊で、毎回泣けるポイントが違うのである。 // リンク 前回は「オオサカ」にえらく感情移入してしまって泣いた(仕事の…

【L小】『ののはな通信』三浦しをん

今朝はあんまりおすすめしない作品を。 // リンク 2人の女性の、10代〜20代前半の往復書簡と40代前半のメールのやり取りで成り立っている小説なのだが、この構成自体は面白い。ていうか、アイデア勝ちな気がする。 だけど、はっきり言わせてもらうと、どっち…

【L漫】『philosophia』天野しゅにんた

ついでだからもう一つ天野作品を。 // リンク 主人公である愛は、どこかで見たようなキャラクター設定である…そう、『私の世界を構成する塵のような何か。』の主人公留希である。恋愛とか興味なくて、勉強なんか頑張ってる女の子。舞台も大学。そして、そん…

【L漫】『私の世界を構成する塵のような何か。』天野しゅにんた

一発目に取り上げる作品は漫画である。 // リンク 女子大生7人のぐちゃぐちゃした人間関係を描いた作品、と一言で説明してしまうと何にも面白くない、むしろ面倒くさい感じがするが、なかなかどうして3巻一気に読める。 7人も出てくるのか、海外の小説みたい…

ご挨拶。

私、ユンボイナと申します。70年代後半生まれでいい歳なのですが、今思えば私の若いころはLGBTに対する風当たりも強く、したがって自分の性的関心が同性に向いているなんてことはひたすら内緒にしてなきゃいけないし、自分で認めるのもなかなか大変でした。 …