L寄りBの本棚。

バイセクシャルだったけどだんだん男性に興味がなくなったレズビアン(L寄りB)がLGBTを題材にした小説や漫画について一丁前に語るブログ。

【古典百合】『花物語』吉屋信子~6日目

昨日は半分遊び、半分仕事の飲み会に出て読めなかったもんで、今日は多めに読もうと思ったが読了できず…ただ、あと4作品読み残したので、明日読み切ればちょうど「花物語を1週間で読み切る企画」になって良いのかもね。以上、サボりがちな私の言い訳。

今日は以下5編を読む。

 

11 ヘリオトロープ

12 スイートピー

13 白木蓮

14 桐の花

15 梨の花

 

11のヘリオトロープは文語体で書かれていて、普段ならここから読むと挫折しそうなんだが、今日は機嫌(と脳の調子?)がいいのでスルスル読んでしまった。関東大震災後の焼け跡に少女2人が本を探して古書店巡りをしていたらフランスの古雑誌を見つけた、中に載っていた詩がちょっと百合だったよ、という…それだけの話だが、文語体が功を奏していい味出している。

12のスイートピーは、元々運動部の明るい子たちが怪我や病気で運動ができなくなって図書室通いになる、そんな二人が百合の中に…のはずが、相手のことをもっと想っている同級生がいると知り、主人公は自ら身を引く。その後相手はそのことを気に病んで、病気が再発して死んじゃったよ…という私の価値観からは訳分からん話。たしかに佐伯はいい人ではあるが、ピーちゃんのほうで好きにはなれんと言っておるのだし、そこで身を引く主人公は何をいい子ぶってんだろう。挙句の果てにはピーちゃんを殺してしまった。佐伯と主人公の連名で花を贈るなんて言語道断、多分あの世のピーちゃんは喜んでない。ついに独善が彼女を殺しちゃった話である。

13の白木蓮は一言でいうとモテないガリ勉の話。モテなくてガリ勉になってしまった、という方が正確か。〇欲を勉学意欲に昇華させるという、高校倫理の教科書にでも載せとけばよい話である。

14の桐の花は、田舎の子が勉強のために一家で豊島区ら辺(巣鴨とか大塚とか出てくる)に引越してきて学校に通って、そのうちに東京育ちのお嬢様と仲良くなって案外長く続いたけど、進路が別れて頻繁に会えなくなったらいつの間にかお嬢様はパリピしてたよ、という悲しい話である。ノンケと付き合った末路、みたいなものをみせつけられるリアリティある本作、私は嫌いではない。

15の梨の花は少女が塔から身投げする話。なんでそうなったかの詳細は書かれておらずモヤモヤ。

 

ということだが、1日お休みしていたからか、今日は美文百合も機嫌よく読めたと思う。しかし、スイートピーだけは納得いかんね。生き残った二人ともなんだか出世しそうだし、死んだあの子が浮かばれない。ピーちゃんは主人公のところに化けて出てやりなさい!